優しい風の中で手を繋いだあの日に

きっとひとりじゃないから

00032 // 不完全

偉いね

すごいね

いい子だね

 

どこに行っても

誰に会っても

同じことを言われていたあの頃。

 

誇らしい気持ちもあったけど

どこかで

とても居心地の悪い

不協和音が耳に届いた。

 

家の中と

家の外の

格差に

 

自分が二つに割かれていく気がした。

 

褒められると嬉しくて

なのに

褒められると泣きたくなる

 

そんな二律背反に、幼い心が黒くなる。

 

完全な人間なんていない。

人間は不完全だからこそ美しい。

 

その言葉を知ったのは大人になってからで、

その言葉がわたしの心の重荷を軽くした。

 

完全な子どもであることを求められ

完全な子どものフリをして

周りに完全だと感じさせた小さな自分が

今は、ただ、ただ、悲しい。

 

大人になってから不完全でいいと

わかっても変えられないものもある

 

あの頃のわたしに誰かが

不完全でいいんだよと言ってくれたら

 

わたしは、誰かの前で

涙をこぼす事ができたのかな。

一度もわたしが泣いているのを見た事がないと

そう、言っていた、たくさんの人に

わたしも、人間なんだよ、って。

 

今もまだ

不完全な自分が怖い

不完全である事が悪だと

信じて疑わなかったあの日のわたしと

今、ここにいるわたしは

歳を重ねても変わらないまま

 

立ち尽くしている。

 

Thank you for coming here :)