優しい風の中で手を繋いだあの日に

きっとひとりじゃないから

00033 // しなやかに

強く生きる

それは、わたしにとって

小さい頃から課せられた課題で

ピンと背筋を伸ばして

どんな風が吹いても

ビクともしない

大きな大木のようだった。

 

でも、

風は凄まじく

雨は降り続き

ボロボロになった大木は

ピンとまっすぐの姿勢を保ちつつ

栄養のない痩せた土地で

中身はスカスカでカラカラで

最後に力で折られた時

ボキッと音を立てて

無残に砕け散った。

 

強く生きることは

しなやかに風に乗って踊る

柔らかくて

フワフワした

雑草なんだと気付いたのは

大人になってからだった。

風が吹けば

揺れて

踏まれたら無残に地べたに顔がつく

でも、あたたかい日光と適度な雨で

もう一度起き上がる。

栄養たっぷりの超えた大地の上で

されるがまま

なすがままに

常に風に吹かれて

フラフラ揺れ続けていても

しなやかなその姿は

パッキリ折れることはない。

 

大木になることも難しかった

でも

雑草になることも

わたしにとっては同じくらい難しい

 

それは

 

自分の弱さを認めるのが

きっと

 

怖いから。

 

風に吹かれてユラユラしたい

大地の恵みを十分もらって

何気なく日々を過ごしたい。

カチカチの硬い殻で覆わなくても

折れないようドンと足を地面に

無理やりつけなくても

 

生きていける強さが欲しい。

 

それが本当に強いことだと

思うから。

 

Thank you for coming here :)

 


00032 // 不完全

偉いね

すごいね

いい子だね

 

どこに行っても

誰に会っても

同じことを言われていたあの頃。

 

誇らしい気持ちもあったけど

どこかで

とても居心地の悪い

不協和音が耳に届いた。

 

家の中と

家の外の

格差に

 

自分が二つに割かれていく気がした。

 

褒められると嬉しくて

なのに

褒められると泣きたくなる

 

そんな二律背反に、幼い心が黒くなる。

 

完全な人間なんていない。

人間は不完全だからこそ美しい。

 

その言葉を知ったのは大人になってからで、

その言葉がわたしの心の重荷を軽くした。

 

完全な子どもであることを求められ

完全な子どものフリをして

周りに完全だと感じさせた小さな自分が

今は、ただ、ただ、悲しい。

 

大人になってから不完全でいいと

わかっても変えられないものもある

 

あの頃のわたしに誰かが

不完全でいいんだよと言ってくれたら

 

わたしは、誰かの前で

涙をこぼす事ができたのかな。

一度もわたしが泣いているのを見た事がないと

そう、言っていた、たくさんの人に

わたしも、人間なんだよ、って。

 

今もまだ

不完全な自分が怖い

不完全である事が悪だと

信じて疑わなかったあの日のわたしと

今、ここにいるわたしは

歳を重ねても変わらないまま

 

立ち尽くしている。

 

Thank you for coming here :)

 


00031 // 言葉じゃなくて

誰かを好きになること

誰かを愛すること

 

きっと、言葉じゃなくて

きっと、触れられない何かの奥で

ただ、感じるだけのこと。

 

誰かにそばにいてほしい

誰かに抱きしめてもらいたい

 

そんな

邪な考えに嫌気がさす。

 

心で感じるあったかい何かを

どうやって探せばいいの?

チープな歌の歌詞のように

本当の大好きを見つけるなんて

ダイヤモンドを見つけるより

難しい。

 

この広い世界の中で

わたしを愛してくれる人はいる?

わたしは誰かを愛せるのかな。

 

永遠に、見つからない気が、して。

 

Thank you for coming here :)

 


00030 // 甘い言葉の響きに

笑ってる顔が好き。

 

その言葉に胸が震えた

わたしの笑顔が

誰かを幸せにするなんて

生まれて初めて知った

 

でも、怒ってる顔も好き。

 

そんなこと言われたら

どんな顔をしたらいいか

わからなくなっちゃうよ

 

わたしが何を感じて、何を思って

何を表現して、何を声に出しても

 

そんな君が好き。

 

そう言われること、慣れてなかった

ううん、今でも、相変わらず慣れてないよ

 

わたしにとって

わたしは紙切れ一枚より軽い存在なのに

あなたにとって

わたしはこの世で最も愛しい唯一無二の存在

 

わたしは大切にされることに慣れてないの

人を信じることもうまくないの

一番大事にするのは自分自身のはずなのに

 

大丈夫、俺が君を君より大事にするから。

 

目が覚めて

あの手を離したこと

後悔はしなかった

そうするしかなかったから

その言葉を夢で思い出せただけで

今日、目覚めることが出来て

幸せな日なんだと思ったから

 

 

Thank you for coming here :)

 


00029 // 優しい思い出

わたしのこと

忘れないで

わたしのこと

忘れて

 

あの日を思い出して

あの日を思い出さないで

 

幸せな思い出は悲しくなるから

美しい夕焼けを見たときに

涙が溢れるのと同じで

 

泣いたらすっきりするから

泣いたら楽になるから

 

きっとそうだね

きっと覚えている方が幸せね

 

でも

涙を悪だと信じて育ったわたしは

涙を溢すたびに

ああ

泣いている自分がいかに弱いかと

いかにダメなのかと

思い知らされて

 

あの鮮やかな日々を

心の引き出しにしまって

鍵をかけて

 

悲しいことや苦しいことで涙するより

幸せであたたかくて涙する方が

わたしにはずっと

苦しい

 

Thank you for coming here :)

 


00028 // 沈む地面

辛いことがあるから

苦しくてたまらないから

生きていることをやめたいと

命を惜しまない人はいても

 

楽しくて

優しくて

幸せで

あたたかい愛の中で

生きていることをやめたいと

願うことは間違っていますか?

 

人の本能に生きることが刻まれて

自ら命を絶つことを本能のエラーと

呼ぶなら

 

その科学的な考察の裏に

数字で測れない

目に見えない

本当の「心」というものの

儚さや繊細さは

見過ごされてしまうのではないですか

 

一歩踏み出し、足を前に運び

地面にソッと足を置くと

地面は柔らかく歪んで

踏みしめる、ということの出来ない

足がぐらつく、そんな地面を

あなたは歩いたことがありますか

 

言葉で説明なんて出来ない

したくない

言語的にとか、数値的にとか

そんなもので感じられない何かが

そこにあること、受け入れられますか

 

沈まないようにソッと足を出しては

生きることの喜びを知る

実は生きていたくないと思う人こそ

生きていることがいかに尊いか

実は誰よりもわかっているのかもしれない

 

Thank you for coming here :)

 


00027 // ひとり

人が生まれる時はひとりで、

死ぬ時もひとりだと、

ある歌は歌っていた。

 

きっと事実はそうで、

選んで生まれて来るわけでもなく、

誰がそばにいても、死ぬことを共には出来ない。

 

その人だけの自分生の始まりがあり、

その人だけの人生の終わりがあり。

 

でも、心の中の思い出が、

今まで生きてきた軌跡が、

溢れる人生の思いが、

ひとりの旅立ちに、どんなに心強いか。

 

どう生きるかと同じくらい、

どう死に向き合うかも大事で、

きっと、人は人生が長くなればなるほど、

死に向き合うことを忘れてしまう。

遠い先のこと、夢物語のように霞んだ未来、

 

でも、誰にでも平等に必ずやって来る、

不平等が絶対にないもの、

命を終えるということ。

 

Thank you for coming here :)